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スタッフコラム

2023.11.16
  • [斎藤]

衣食住を取り巻くマーケティング

常務取締役 斎藤 尚之

人が生きる上で必要な3大要素は「衣食住」であるとされています。「衣」は衣服、「食」は食料・食事、「住」は住居を表していることは言うまでもありません。この3つのどれが欠けても快適な生活はできない訳ですが、その優先順位には個人差があるはずです。私が学生の頃に優先したのは、当然に住居の選定でした。大学の近くだと通学の交通費を節約できる代わりに家賃が高く、家賃の安い物件は通学に不便で交通費も必要になります。不動産会社の物件広告を前に財布の中をじっと見ながら、資本主義経済の功罪について初めて真剣に考えて憤りを感じたのもこの頃です。

そんな私が選んだのは、家賃1万円の4畳半(キッチン・トイレ共同・風呂なし)という当時でも珍しい昭和の遺物のような学生アパートでした。今風の表現を借りれば、それはきっとワンルームということになるはずです。そんな部屋でも、雨風がしのげて、アルバイトで疲れた、いや勉強で疲れた身体を横たえて熟睡できる唯一の帰る場所でした。その頃の私は服装にはこだわらない(こだわれない)けれども、食事には質より量というか回数でこだわる生活だったので、3大要素の優先順位は住・食・衣ということになります。結局のところ、限られた資金をどこに優先配分するかということですから、苦学生にとっては「じっと手を見る」毎日だった訳です。

そうやって貨幣経済を前提とする資本主義経済の只中に放り込まれた青年は、「衝動買い」とは縁遠い生活を送ることになるのですが、社会人という立場になると生意気にもマーケティングなるものを意識したりし始めます。色彩心理学を用いたマーケティングの世界では、『赤』は購買意欲をそそる色として知られています。『赤』を使えば衝動買いが期待できると考えて、それをマーケティングに取り入れるのが主流となっているのかもしれません。そういえば、あの会社のロゴマーク、どこかで見た広告、いつも買っているあの商品のパッケージ、ほら『赤』が使用されていませんか?

40年以上も前に不動産会社の店頭で財布の中を見つめていた青年が、今は不動産会社で毎日楽しく仕事をしていることに不思議な縁を感じています。自分は今ここに居るべくしているのだなと思うこともありますし、お客様や同僚とも巡り合うべくして巡り合ったのかと思うことがあります。次のコラムは、そんな同僚が、部下が、書いてくれます。期待しています。                              

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